日本の民話
屋久島ツアーなどで最近人気の高い屋久島。
そこに伝わる古い民話には面白いものがたくさんあります。
今日は「三つのタカンバチ」を紹介します。
むかし、むかし。
麦生のあたりに、じいさんとばあさんが貧しいくらしをたてていました。
南の国屋久島も、年の暮れがおし迫ってきますと、御岳から寒い風が吹きおろしてくるのです。
いよいよ明日は正月という日になりましたが、あわれなじいさんばあさんの家には一粒の米もありません。
「じいさん、米のなか正月というはなかもんじゃ。おまや、安房の町に米買いに行ってくれんか。」
「お金がなかとに、どうして買いがなるか。」
「うん、じつは、ここにおいが麻の緒をよってためた銭が百文あっかア、これで買うてきてくれ。」
じいさんはその金を持って、すたこら、すたこら、安房に行きました。
面影の泉のところから渡し船に乗って安房川を渡りました。
そして五仁衛門どんの店に行って、
「ごんにょむどん、米をくれんか」
といいました。すると、ごんにょむどんは、
「じいさん、昨日くればよかったのに。きょうは米は全部祝うてしもて売る米は一つもなか」
といいました。