日本の民話 3
「こア、夢やったか。」
それからまた眠りました。すると、
「じいさん、じいさん、お金をあげよう」
という声です。じいさんは、はっと思って、
「ああ、また夢やったか」
とつぶやきました。また眠っていると、
「じいさん、じいさん。じいさんもばあさんも若うにしてやっかア」
という声です。また夢でした。
「おかしか晩じゃな。妙な夢を見た。」
じいさんはそのうちまた、眠ってしまいました。
あくる日は元朝です。
じいさんが起きてみたら、
「あっ」
と驚きました。縁にお米の俵がたくさん積み重ねてありました。
しかも、床の間にはお金がどっさりおいてあるのです。
「ばあさん、ばあさん、どういうこっかこア。はよ来てみえ」
じいさんがあわてていいました。今度はばあさんが、
「あっ、じいさんな、うんどがえん(自分のうちの)じいさんかこア」
と、すっとんきょうな声をはりあげました。
じいさんはたくましい二十歳の若者になっていたのです。今度はじいさんが叫びました。
「ンニャ、ンニャ、ばあさんこそ、うんどがえんばあさんかよ。なしけ、こア」
ばあさんは生いういしい十七、八の娘さんになっていたのです。
ニ人は信じられぬようすで、きょとんと顔を見合わせていました。
しかし、つぎの瞬間、笑い声にかわりました。二人は大喜びです。
「じいさんが心がよかもんでや。」.
「ンニャ、ばあさんこそよ。」
それから月日がたって、二人の間には男の子も生れて、いっそう楽しい、よかくらしをしましたテ。
おしまい。